【麻原の人格分析⑥】 「誇大自己症候群」の特質と、麻原の言動との比較検討 その3

( 2012-04-03 21:57:17の記事) 

前回までに、以下の項目について、
「誇大自己症候群」の特質と麻原の言動との比較検討を行ってきました。

 ①「万能感」という誇大妄想
 ② 自己顕示欲
 ③「自分こそが世界の中心である」という誇大妄想
 ④「他者に対する共感性」の未発達、喪失
 ⑤ 権威への反抗と服従
 ⑥ 強い支配欲求
 ⑦ 罪悪感・自己反省の乏しさ、責任転嫁と自己正当化

今回は、その最後の項目⑧~⑪となります。


現実よりも、ファンタジー(幻想)や操作可能な環境に親しむ


この傾向は、生の現実ではなく、思いのままにコントロール可能な模造現実を、
居心地よく快適と感じるものです。

ファンタジーであれ、その底流にあるのは同じく、
「思い通りになる」ということであり、
「万能感」を容易に充足させてくれるということです。

「誇大自己」を抱えた人は、社会的な孤立と、
「自分は周囲から認められない」という思いは、
単に自己否定感を深めるだけでは終わらず、
それを補うために、心の中で、別のプロセスが進み始めます。

すなわち、より誇大で自己愛的なファンタジーにのめり込んだり、
思い通りになる弱い存在を支配することで、
自分の万能感や力の感覚を満たし、どうにか折り合いを付けようとするのです。

そして、麻原の場合は、ファンタジーにのめり込むことと、
思い通りになる弱い存在を支配することの、
双方を兼ね備えていたのが「宗教」だったのです。


被害妄想


次に、前にも出てきている「被害妄想」の傾向ですが、
これは、周囲から侵害されるのではないかという「不安」ゆえに、
余計にかたくなな態度で、防備を固めようとする傾向にも通じるものです。

そして、麻原の場合は、この被害妄想が、非常に顕著でした。
例えば、

① 幼少のころの親に対する見方(親が自分を捨てた、搾取しようとした)

② 生徒会選挙に落選した際に「教師の妨害があった」と決めつけたこと

③ 自分は「キリスト」で、「悪魔の勢力から弾圧される」
  という予言世界観を唱えたこと

④ マスコミなどに批判されると、
 「その裏に創価学会・フリーメーソン・国家権力がいる」と主張したこと

⑤ 衆議院選挙に落選すると、「投票操作をされた」と主張したこと

⑥ 「米軍の毒ガス攻撃を受けている」という主張を含め、
 「教団弾圧の裏にアメリカ・CIAが存在している」としたこと

など、枚挙にいとまがありません。


目先の利益や快楽のために他人に害を与えても平気
――規範意識の欠如


麻原がこれに当てはまることは、
さまざまな違法行為、犯罪行為を見れば明らかです。
そして、それは幼少のころからそうだったようです。
以下、ジャーナリストの書籍から見てみます。

  「盲学校の生徒には、大なり小なり社会にたいする憤りや、被害者意識、
  劣等感があるんです。
  しかし、ふつうの生徒はそんなことなど口に出さずに、
  社会に協力していこうという気持ちをもっていた。
  ところが、智津夫には、それがないんです。
  自分のために、まわりを利用しようという意識ばかりがあった。
  社会の常識は、自分の敵だと思うとった。
  そして長兄にくらべて智津夫には、
  人の上に立ちたいという名誉欲が人一倍強くありました」
    同様の話は、複数の元教師や現職の教師からも聞いた。

      (高山文彦氏『麻原彰晃の誕生』文藝春秋)

そして、教祖になる前も、保険料不正請求、薬事法違反、
そして、治療家としての誇大宣伝・詐欺的な行為など、一貫した傾向でした。

また、「目先の利益や快楽」といえば、
犯罪行為を犯す動機自体が、まさにそれでした。

最初の事件は、単なる事故死であったにもかかわらず、
「教団の名誉・自己の救済活動に傷をつけたくないがあまり」、
死体遺棄の罪を犯しました。

しかし、そのために、後ほど、それを目撃した弟子が告発することを恐れて、
その弟子を殺害するという事件につながっていきました。

また、坂本弁護士事件は、同弁護士が教団のマスコミ批判の裏にいると考え、
それを排除するために行われましたが、
マスコミの批判などは常に一過性ですから、
静まるまで辛抱すればいいことでした。

地下鉄サリン事件は、教団に迫る警察の強制捜査を嫌って、
延期させるために行われたとされていますが、
辛抱して強制捜査を受け止めなかったことが、彼にとって致命的となりました。


 内に秘める攻撃性

誇大自己の万能感は、その絶対性を傷つけられると
「自己愛的怒り」を生みます。
「自己愛的怒り」は、絶対者である神や王の怒りに似ています。

これは、すべて自分の思い通りになることを期待し、
「自分こそ正しい」という思い込みが否定されることから生じる怒りです。

怒りによって生じる行動は、まさに神や王のそれであり、
相手に「思い知らせる」ために、相手の存在を消し去ることさえ躊躇しません。

麻原の場合も、この傾向は非常に顕著でした。

麻原は、自己を「最終解脱者」であり、「キリスト」と位置付け、

「自分を批判・攻撃した者は、大変な悪業を積むことになり、
 神々の怒り・裁きが下る」

としました。

そして、それだけに止まらず、その裁きを自ら実行するために、
教団の武装化や、さまざまな暴力犯罪を犯しました。
すなわち、明らかに、彼自身が、「裁きの神」となっていったのです。
彼が解釈した「予言されたキリスト」は、そういった神の化身であり、
彼にとってのポワとは、救済であるとともに、一種の「裁き」だったのです。


※より詳しい内容を以下に掲載していますので、ぜひご覧ください。
【4】「誇大自己症候群」の特質と麻原の言動の比較検討
http://hikarinowa.net/kyokun/generalization2/psychology2/04-4.html
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