【盲信原因と脱却⑤】教団に「自尊心」を満たされ、信じたくなる心理作用がある
(2012-03-17 17:21:27の記事)
■なぜ、アレフ信者は麻原を「絶対」「神の化身」と考えるのか
落ち着いて考えてみれば、
麻原を含む誰かを「絶対」または「神の化身」
その人自身が、「絶対」で「神の化身」である場合だけでしょう。
実際に、信者には、
こうして、信者は、万人が麻原を絶対・
もし、そのような証拠があれば、麻原・アレフは、
そもそも、宗教で教祖などを絶対と信じるというのは、
では、なぜこうなるのか、すなわち、信者になる人がなぜ信じ、
その原因は、これまで述べたように、
①教団や麻原の実態や、超能力やヨーガ・
もありますが、それだけではなく、
②
のです。
■アレフ信者が、そう信じたくなる心理
まず、アレフの教義と布教活動を分析すると、
「麻原・アレフに巡り会った者は、真理に巡り会った者」として、
「人類の中でも極めて優れた功徳のある者」として、
徹底的に称賛されます。
その結果、そうされた人は、気づかないうちに、
自尊心が深く満たされて、
要するに、「自分」が巡り会ったもの、「自分」
そして、「自分」を深く称賛してくれたもの、
「自分」の価値を認めてくれたものは、正しいと信じたいという、
人間心理が働いているのです。
人は誰しも、自分という者を一番愛しており、
自分でも気づかないうちに、
強い欲求を持っています。
この自己特別視の欲求が、
「自分が巡り会い、自分を特別視してくれたアレフは特別だ」
と信じたくなるのです。
自分への特別視とアレフへの特別視が一体化していくのです。
特に、アレフは、最初は覆面ヨガ教室で、
その過程で深く称賛されると、自分でも気づかないうちに、
そして、アレフの信者は、特に幹部信者においては、
こうした心理作用があることを多分に自覚して、
それを利用して、布教していると思われます。
また、信者によっては、自覚して利用しているというよりも、
本当に、自分と自分の教祖と自分の団体は特別だと信じ、
そのため、
■落ち着いて考えてみれば・・・
しかし、落ち着いて考えてみれば、
ヨーガや仏教の修行で心身が向上したり、
一連の事件を犯し、当時の高弟の大半が既に脱会している団体が、
アレフが説くように(世界で最高の、世界で唯一の)
あるわけがありません。
事件を深く反省して、その反省からの葛藤を通して脱皮・
本当に精神的な・宗教的な意味、意義深い生き方があるはずです。
また、より本質的には、仏教開祖の釈迦牟尼、ゴータマ・
自我執着を超えることであり、
アレフが行っているような誇大妄想的な過剰なプライドは、
よく自戒し、乗り越えるべき煩悩ということができます。
これは先ほど述べた聖者の見解、「
■アレフが信者勧誘に使う言葉
では、アレフが新しい信者を教化する上で、
例えば、
「(麻原・アレフの修行をしない)凡夫は、
99.9%、地獄(
「(麻原・アレフという)真理に巡り会い、
本当にわずかであり、大変な功徳がある」
「(麻原・アレフに巡り会って、修行で神秘体験ができた)
前生からの修行者であり、大変な功徳がある」
などです。
私達が、脱洗脳を手助けした人の中には、
「あなたは十万人に一人の魂である」
とまで言われた人がいました。
また、アレフには、仏教の教義の利用だけでなく、
麻原がキリスト教のハルマゲドン予言を解釈して、
それによれば、麻原は、
地球最高のグル、地球の教祖となる者で、
その信者・弟子になる者は、
キリストの弟子として、
そして、これを信じているアレフの信者は、自ずと、
自分が巡り会う信者になる可能性のある者にも、
同様の位置づけを与えていきます。
客観的に見ると、これは、
「偉大な自分たちに巡り会う者は偉大である」
という(幼稚な)思考と行動ですが、
麻原への帰依として、そう実践していきます。
そして、客観的に見れば、
■コンプレックスから虚栄心の充足へ
そして、この結果、教団信者と社会の間には、精神的な壁・
すなわち、信者は、
「アレフ・麻原を認めない外部社会は、
自分たちより下の存在であり、
彼らが自分たちを認めないのは、
彼らが劣っており、
麻原・アレフの真理を理解できない」
とまで考えるようになります。
「真理を知っている聖なる自分たち」と、
「
また、オウム事件の陰謀論でも、同様の心理が働きます。
そのような説を十分に調査・研究などせずに、
「一般の人は、陰謀説という真理を知らないが、
という虚栄心が満たされ、
これは、気づいてみれば、恐ろしく傲慢な意識です。
しかし、アレフ信者は、この自分達の問題に気づいていません。
むしろ、彼らは、
「自分たちは、グル・教祖や教団に対して帰依をして、
と考えています。
その自分たちが、客観的に見れば、
気づいていないのです。
そして、実際に、外部社会には非常に傲慢に映ります。
自分たちが勝手に正しいと思い込んだ者(麻原)の指示で、
虫けらのように一般人を殺しながら、反省しないどころか、
陰謀説を流布し、逆に社会を批判するのですから。
そして、この強い称賛・プライドの充足は、今の競争社会では、
卑屈・コンプレックスに悩んでいる人が実に多くいますから、
特別な称賛は、非常に大きく作用するでしょう。
例えば、生まれて初めて、
その影響は計り知れません(他が何も見えなくなりかねません)。
また、卑屈・コンプレックスの強い負け組の人達だけではなく、
いわゆる勝ち組のプライド・自尊心が強い人にも影響があります。
「他に対して優位になりたい」という人の欲望は際限がありませんし、
勝ち組でも、誇大妄想的・空想的な傾向があれば、
「地球人類の中の最高存在の集団になれる」
という欲求を、アレフで満た
こうして、「自分を認めてくれたアレフ・麻原を信じたい」
麻原・アレフが正しいのか、という客観的な思考は、
主観で、麻原・アレフを判断するようになります。
一連の事件の重大さえも無視し、
そして重大なことは、これは、麻原・
実は、「自分自身」を信じている=「信じたい」のです。
麻原を正しい、絶対だと信じることを手段として、
それに巡り会った「自分が正しい・特別だ」と信じたいのです。
その結果として、アレフに巡り会う前は多分に卑屈を抱え、
他人を絶対・
一転して、アレフ・麻原を正しいと信じてしまう自己矛盾・
この落とし穴に気づくことは、
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