麻原三女『止まった時計』の虚偽⑤ 補足:2014年前後からの教団への関与

 麻原三女・松本麗華氏著『止まった時計』における虚偽の内容と関連する事項について、前回の記事麻原三女『止まった時計』の虚偽④ 2005年・06年の「正悟師外し」への関与の続きです。

⑤ 補足:2014年前後からの教団への関与
   ――家族内での分裂が勃発=教団分裂へ


  こうして、正大師である上祐やほとんどの正悟師を排除してきた三女ら家族ですが、当局・教団の事情に詳しい元信者たちの情報によれば、昨年2014年前後 から、三女と妻の間で、次男の教団復帰を巡って意見の対立が明確となり、教団が分裂し始めたとみられ、たびたび報道されるようになりました。

 分裂の理由は、次男の教団復帰の是非をめぐる意見の対立です。
 麻原は、「長男・次男を猊下と呼び、全ての弟子・家族に上に置き」、さらには、1996年に破防法が教団に適用される可能性があった際に、「自らは教祖を退き、長男・次男を後継教祖とする指示」を出したことがあります。

 長男・次男は、そろそろ成人を迎えます。
 そして、長男は教団復帰の意志がないものの、次男にはその意思があるとされます。そして、麻原の妻と、教団に残る最後の最高幹部の二ノ宮らが、次男の教団復帰を図る中で、三女・次女・長男らは、次男の復帰に強く反対していると言われています。

 三女らの反対の理由は、厳密には明確ではありませんが、三女らが教団幹部にあてた手紙では、社会情勢からして次男の復帰は望ましくないとしているようです。
 また、三女らを支持する信者には、本来、教祖は麻原だけであり、長男次男の後継教祖は破防法回避の方便にすぎないという心情があるようです。

  これに対して、麻原の妻・二ノ宮側の主張は、麻原が猊下として弟子の最高位に置き、事情はともかく後継教祖に指名したことがある次男について、それよりの 下のステージである三女が、その復帰に反対することは、「猊下外し」であり、引いていは「麻原外し=グル外し」であるとして、三女を厳しく批判しているよ うです。

 これは言わば、三女が上祐らを批判したことが、まさに自分に返ってきた状態と言うことができるかもしれません。オウム・アレフ の信仰では、麻原の定めた上下関係・位階制度は絶対的であり、さらに、麻原自身が社会に適応せず、対立する言動が中心だったために、自分より位階の高い者 に対して、社会的な配慮に基づいて反対したとすれば、結局は否定されることになります。

 こうした中で、公安当局によれば、昨年2014年の年始セミナーの最中に、三女が、教団施設の近くに、中堅幹部多数を呼び出し、次男の復帰に反対し、社会的に批判を浴びている教団の拡大を慎むように呼びかけたとされます。
 二ノ宮らは、これを厳しく批判すると、三女は、その後二回にわたって、教団幹部に対して、三女・次女・長男の名義で、次男の教団復帰に反対する主旨の手紙を送付するなどしました。

  これを皮切りに、アレフの教団内部では、妻らの考えに同調する二ノ宮らと、三女の考えに同調する幹部信者の対立が始まり、2014年の夏ごろから今日に至 るまで、麻原の妻や二ノ宮側、いわゆる教団の体制派が、三女に同調する中堅幹部ら多数の信者を除名するに至っています。

 また、2014年9月に、アレフは、次男と共に後継教祖とされた長男の教団復帰も願い、長男の了解を取らずに、長男の誕生日を祝う祭典を行いました。それに反発した長男は、アレフとその幹部多数に対して損害賠償請求を提起しました。
 こうした中で、2014年11月の観察処分更新請求の中で、公安調査庁は、これまでの教団関与の事実に基づき、三女をアレフの役職員であると認定しました。これに対して、三女は、この認定を不当として損害賠償請求訴訟を提起しました。

  ただし、三女を役職員とする公安調査庁の認定はいささか行き過ぎかと思います。確かに三女が教団に重大な関与してきたことは事実です。しかし、公安調査庁 の主張や証拠を見ても、その関与は不定期であって、企業で言えば、大株主の創業者家族で、会社のトップや重大方針に関する決定的な影響力がある者が、折に 触れて経営に口を出す事例と似ており、社長や取締役として、組織の活動に恒常的に従事しているのではないからです。

 ただし、公安調査庁 の立場としては、アレフが実質的に2つに分裂した場合に、体制派の方は、観察処分に基づいた活動の報告などを従来通り求め続けることができるものの、三女 に同調する側のグループの方は、三女をそのトップと認定して一つの組織と見ない限り、そのグループの活動の報告を求める相手先・主体が不明確になる恐れが あります。
 そこで、常識的な役職員の定義を、拡大解釈気味に適用しているのかもしれません。

 一方、三女側から見れば、次男の復帰に反対したのは、次男のためだけではなく、家族全体が教団に関与している事実が発覚することを恐れたのではないかとも思われるところ、反対活動を行ったことが、逆の結果を招いたことになります。
 三女の行動が、家族の中での話し合いにとどまらずに、多数の教団幹部に対する面会・手紙の送付などを含めた、大々的な活動となったために、教団に関与したと認定される結果を招いたのでしょう。

 そして、今年に入って、教団の分裂は、さらに拡大しています。三女の考えに同調する信者は、例えば、一部の支部がアレフの本体から離脱・独立したり、埼玉の一部の施設を占拠しているなどとされています。

次で最後になります。

>>『止まった時計』の虚偽⑥ まとめ:三女が虚偽を述べる理由、疑い、問題、評価ほか

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