ひかりの輪の賠償の経緯と現状について

 誤解も多い「ひかりの輪」の賠償活動に関して、一般の皆さんにもわかりやすくご説明したいと思います。

1,賠償契約の締結と実際のお支払い状況

(1)ひかりの輪の賠償契約の締結の経緯

 ①発足から2009年6月まで:正式契約なしの状態で

 ひかりの輪は、アレフ(旧オウム真理教)を2007年3月に集団脱会したメンバーが中心となって、2007年5月に発足しました。それ以来、オウム事件の被害者やご遺族(以下「被害者」と記します)の方に対して、賠償金のお支払いを行ってきました。
 ただし、発足から2009年6月までの賠償金のお支払いは、ひかりの輪のメンバーがアレフに所属していた2000年7月6日にアレフが締結した賠償契約に基づいて行っていました。それは、ひかりの輪としての正式な賠償契約がない中で、アレフを脱会した後も、オウム真理教の過ちを二度と繰り返さない証として行ったものです。
 なお、この2000年にアレフが締結した賠償契約とは、宗教法人オウム真理教が一連の事件の賠償債務のために破産した後に、その残存資産を管理して賠償金の支払いを行っていた破産財団オウム真理教の破産管財人(阿部三郎弁護士)との間で締結されたものでした(その契約の内容は「アレフが、被害者賠償契約の締結を拒否している事態について」の「※資料②」を参照のこと)。

 ②2009年7月~今日まで:正式契約を締結して

 その後、2009年7月6日、ひかりの輪として、正式に賠償契約を締結しました。この賠償契約は、先ほどの破産財団オウム真理教が諸事情によって解散となり、その賠償金支払いをオウム真理教犯罪被害者支援機構(以下、被害者支援機構)に引き継いだために、同被害者支援機構と締結したものです。
 この点に関する詳細は、「新しい被害者賠償契約締結のご報告」に掲示しております。

 この契約によって、ひかりの輪は、①オウム事件の賠償債務の残り全額を引き受け、②定期的に被害者支援機構に財務報告を行う義務を負いました。
 ただし、毎年の支払い義務については、被害者支援機構との話し合いの中で、団体の現実の支払能力をふまえ、初年度(2009年)の年間の最低支払義務は300万円、努力目標が800万円と設定していただきました。
 なお、契約では、団体の財務状態に応じて、最低義務と努力目標を毎年改めて設定することとしておりますが、2009年以来、2012年までは、財務報告をしながら、結果として、同じ数字(300万~800万円)で行わさせていただいております。

(2)ひかりの輪の賠償金支払いの概要

 契約締結の2009年以来、近年の厳しい財務状況の中で、被害者支援機構に定期的な経済報告をしながら、何とか最低義務の300万円の支払義務を履行させていただいております。以下、発足以来の賠償金の具体的な支払い状況です。

2007年
 6月13日   200万円
 9月26日   200万円
 合計     400万円

2008年
 3月20日   200万円
 7月9日   200万円
 10月2日   200万円
 12月26日   200万円
 合計     800万円

2009年
 4月14日   100万円
 5月7日    40万円
 7月8日    60万円
 10月2日    50万円
 12月6日    50万円
 合計     300万円 

2010年 
 3月17日    75万円
 6月30日    58万7961円
 8月4日    17万円
 8月30日    50万円
 10月12日    50万円
(2011年)1月1日 50万円(2010年度分として)
 合計     300万7961円

2011年
 5月28日    13万3500円
 6月30日    12万2593円
 7月20日    75万円
 9月6日    50万円
 10月7日    75万円
 11月11日    75万円
 合計     300万6093円

2012年
 3月9日    75万円
 6月13日    75万円
 9月27日    80万円
 12月支払い予定
――――――――――――――――――
 総計    2331万4054円


2,賠償金のお支払いが最低義務の300万円台に留まっている理由

(1)最低義務300万円と努力目標800万円を設定した背景

 最低義務と努力目標を設定した背景は、契約締結の前年の2008年度は、800万円の賠償金を支払ったものの、契約年の2009年において、下記の大きな財務事情の悪化要因のため、お支払いできる額が、300万円以内との見通しとなったためです。
 そして、2009年以来、財務状態は目立って改善することはなく、2012年まで、同じ設定にしていただきました。そして、実際の毎年のお支払額も、上記の通り最低義務の300万円台となりました。
 その大きな事情の変化とは、以下の通りです。

 ①専従会員の国民年金の支払い

 ひかりの輪では、2008年度までは、専従会員(※団体施設に居住し、団体業務に専念するスタッフ。出家者)の国民年金保険料の納入を後回しにし、賠償金の支払いを行ってきました。しかし、2009年からは、それを取りやめたため、その分、年間経費が数百万円分、大幅に増大しました。
 これは、①年金保険料の未納が社会問題となったこと、②そもそも支払いが法に定められた国民の義務であること、③オウム時代に出家したために、私有財産を有しない専従会員の最低限の将来の生活保障を図る必要があること、などのためでした。

 ②専従会員の減少(発足以来半減)

 ひかりの輪の収入源は、専従会員による各支部教室の運営や、一般の外部就労によりますが、専従会員の数は、契約前年の2008年には55名いたところ、契約年の2009年を経て、2012年現在までに、27名に半減しています。
 これは、アレフ(旧オウム)を脱会し、ひかりの輪になった結果として、思想・団体のあり方が大きく変化したことなどが原因だと思われますが、これによって、この期間の中で、団体の収入も半減しました(正確には半減以上に悪化しました)。
 それに加え、財務状態が厳しい団体の中にいれば、将来の生活が不安だと感じて、脱会した者も少なくありません。よって、①で述べたように、国民年金の支払いなどを含め、専従会員に最低限の将来の生活保障を行うことは、賠償金のお支払いを長期的に安定的に行うためには必要だと判断しました。

 ③不況の影響による収入の減少

 契約年の2009年は、その前年(2008年)後半に発生したリーマンショックによる世界的な不況による影響が見られ始め、専従会員と非専従会員(一般の在家会員)の双方の収入が減少し、そのため、団体の収益も悪化しました。
 これに加え、昨年2011年に発生した東日本大震災では、団体の仙台支部が被災するなどして、その影響を受け、一時的にですが、団体の収入が低下したことがありました。

 こうした状況の中で、ひかりの輪では、最大限の経費節減や、可能な限りの収入の確保に励みながら、先ほど述べた300万円台のお支払いを何とか実現してまいりましたが、その結果として、団体の総資産は下記の通り、減少し続けているという厳しい状態が続いております。

 ※団体発足(2007年5月)以来の現金・預貯金資産の推移

  2007年 5月 2681万6077円
  2008年 5月 2129万2305円
  2009年 5月 2181万4302円
  2010年 5月 1811万2882円
  2011年11月 1631万3661円

 なお、毎年300万円の賠償金のお支払いと団体資産の減少は、公安調査庁公表のデータ(平成24年1月の「内外情勢の回顧と展望」)からも、ほぼ同じ状況が確認できます(ただし、公安調査庁のデータは、一部不正確な部分あります)。

 また、ひかりの輪では、こうした団体の財務状態について、契約に基づき、オウム真理教犯罪被害者支援機構に対して、定期的に文書で会計報告を行っており、毎月の収入・支出の額を詳細に報告しています(2009年4月、2011年7月、2012年1月、2012年8月に文書報告)。


3,今後の賠償支払いの改善努力

 こうして、様々な条件の下で、団体の財務状態が、なかなか上向かない中でありますが、今後の改善努力としては、
①経済全般が厳しい中で、なるべく経費の節減に努め、収益の改善を図ること
②上祐代表などの団体の幹部が、オウム真理教時代の反省・総括を著す書籍を発刊し、その印税収入を賠償資金に回すこと
 などを行い、少しでも多くの賠償金がお支払いできるよう努力してまいります。


4,よくある質問・疑問・誤解へのご回答

(1)被害者は、賠償ではなく、解散を求めているのではないか?
 ――被害者側の総合的な判断に基づいて賠償の推進に努めています


 被害者の方のお考えについて、団体は直接的な接触が不可能なため、賠償を担当されている弁護士の先生に、その理解ととりまとめをお任せしてきました。
 賠償契約は、アレフ時代の2000年に初めて締結しましたが、その経緯は、当時、被害者の方への賠償を担当されていた破産財団オウム真理教の破産管財人(阿部三郎弁護士)が、アレフ側に対して、破産管財人との間で賠償契約を締結することを提案してこられたことから始まります。破産管財人は弁護士の阿部三郎氏で、日弁連の会長も務めた人望の厚い方であり、その結果、アレフは同年7月6日に、賠償契約を締結しました。
 その締結には、多少の時間を要しました。その理由は、アレフ教団内で話し合う必要があった一方、被害者の中にはアレフ解散を求めて賠償契約に反対する方々もいて、阿部氏が調整を図る必要があったからだと推察しています。
 しかし、最終的には、破産管財人は、賠償契約の締結を決断されました。後日、その経緯を、管財人からお聴きしますと、「被害者の中には解散を求める意見も強いが、信教の自由もあるし、まずは最大限、賠償金を支払わせるのが先決だという方もいて、一様ではない中で、自分が決断した」とのことでした。
 また、破産管財人による賠償業務が終了した後に、賠償業務を引き継いだオウム真理教犯罪被害者支援機構の理事である被害者関係の弁護士の方からも、「団体の解散を求める声は根強いが、賠償金は喉から手が出るほど欲しいという人たちもいる」とお聞きしました。
 このような状況の中で、総合的な判断をし、破産管財人も、被害者支援機構も、団体と賠償契約を締結したというのが、私達の基本的な理解です。
 この点について、マスコミなとで一部の被害者の方が、解散を求める趣旨のご発言をされていることは承知しておりますが、心情的には、そのような方が多くいらっしゃることを十分に踏まえつつ、結論としては、総合判断に基づいて賠償を進めていくことが基本だと考えています。

(2)思想・哲学の学習教室活動ではなく、一般の就労で賠償はできないのか(増えないのか)?
 ――思想・哲学の学習教室関連の事業なしでは、賠償は現実として不可能です

 まず、ひかりの輪は、宗教的な学習はしますが、何者かを絶対視するいわゆる宗教(団体)ではありません。新しい知恵の学びの場、スピリチュアルアカデミーです。
 次に、こうした思想・哲学の学習教室関連の事業を止めて、一般の会社に就労した場合は、結論から言えば、賠償は大幅に減少するか、皆無に近くなるといわざるをえません。

 詳しく説明しますと、まず、ひかりの輪の専従会員は、27名前後です。前に述べたように、アレフ(旧オウム)から脱会して、思想が抜本的に変わる中で、専従会員は半減し、その中には、うつ病になる者も出ました。
 団体の平均年齢は50才を越えており、27人の中で、60代から80代までの高齢者が7人(認知症・要介護の人や視聴覚の障害者を含む)です。また、精神疾患の者が2人、他の病気療養中が1人で、10人が高齢者もしくは病人です。この大半は、団体による生活扶助を必要としています。
 そして、外部で一般の会社に就労している者が8人前後、内部で団体の活動に従事している者が13名前後となっています。
 まず、外部に就労している者ですが、すでに高齢でありながら、長らくオウム真理教に出家していたために、仕事のキャリア・技能がなく、高収入は全く期待できません。派遣・フリーターなど、その立場も不安定です。
 よって、団体の賠償金のお支払いは、団体の思想・哲学の学習教室関連の活動に従事している者が得る収益から主に支払っています。
 彼らは、仏教的な思想の学習の手伝い、ヨーガ・気功法の指導、個人相談、聖地巡りの案内、団体のホームページや広報活動、事務経理などを担当し、東京の本部を中心に、全国8支部教室に居住しています。
 なお、彼らは、信者をオウム真理教のような盲信に導き、多額のお布施をとるのではなく、地道な日々の指導・奉仕によって、収益を得ています。

 また、団体は、一般会員(在家会員)を含めても会員総数は180人ですが、一般会員は、専従会員にとっては、奉仕によって収益を得る対象であり、一般の企業にとっては、一面において顧客のような立場でもありますから、賠償金支払いのために、生活の全てを犠牲にすることを求めることはできません。

(3)解散して個々人が賠償できないのか?
 ――解散すれば賠償は皆無となり、さらに生活保護受給もありえます

 解散して、個々人がバラバラになった場合は、賠償の能力と動機の双方が著しく減少し、賠償が皆無になり、逆に一部の者が、生活保護の受給に陥る恐れがあります。
 その理由は、①個人となった場合、収入が減り、経費が増大し、生活がより厳しくなること、②個々人には、賠償の法的な責任がないことなどです。
 まず、①についてですが、個々人がバラバラとなると、高齢で仕事のキャリア・技能のない多くの者は、団体の活動に従事する場合に得ていた収益よりも、収入が減少します。逆に、経費の方は、集団で居住する場合に可能な様々な経費の節減が不可能となって増大します。そのため、自分が生きていくので精一杯となり、現在のように賠償までは、力が及ばなくなる恐れが高いと思います。
 また、賠償ができないことはおろか、生活保護の受給となる者が、少なからず発生すると思われます。実際に、団体は発足以来、30名ほどの者が出家をやめましたが、その中で、少なくとも、4名が生活保護を受給していることを確認しています。いずれも60代の高齢者や、精神疾患者などです。
 ただし、これは30名全体を調査した結果ではなく、全体を調査すれば、さらに多くなる可能性もあり、さらに、今後加齢とともに、それが増大する可能性もあります。こうして、解散したならば、賠償が皆無に近くなる恐れがあるだけでなく、逆に社会・国家に経済的な負担をかける結果となる可能性があります。
 
 第二に、解散した後の個人には、賠償する法的な責任がなくなります。基本的に、賠償責任は団体が負っており、個人が負ってはいません。
 麻原のような犯行者には、個人の賠償責任はありますが、(元)信者個人にはありません。これは、事件発生以来、オウム真理教をすでに脱会している数万人の人々に、法的な賠償責任が全くないのと同じです。
 実際に、多くの元信者から被害者団体になされた寄付は、ひかりの輪やアレフが支払った金額に、遠く及びません。2つの団体が支払った賠償金(ないし寄付金)は2000年以来、8億円を超えていますが、被害者団体の弁護士の方によると、オウム真理教の脱会者を含めた一般人による寄付金は1億円に満たないのが現実です。
 これは、脱会した後には、賠償する法的責任がないことに加え、先ほど説明した通り、経済的な困難を抱えることなどが原因の場合もあると思います。ただ、全ての脱会者がそうではないでしょうから、法的責任がないことが、彼らによる賠償がわずかなものにとどまっている大きな原因の一つだと思います。
 実際に、脱会者については、内面にオウム真理教の信仰を維持していようが(一人オウム・脱会信者)、脱却していようが、世間は、現実としては、賠償の責任を追及することはなく、結果として、過去が免罪されたかのような状況となります。
 95年のサリン事件の発生時点で、オウムの位階制度において上位十数名のうち7名(女性4名・男性3名)は、既に受刑を終えるなどして社会復帰していますが、団体に所属し、賠償の法的義務を負っており、賠償の責任を当局・メディアに常に追及されているのは、上祐のみです。アレフを裏から支配している松本知子さえも免れています。
 また、それに準ずる中堅幹部の中に関しては、すでに団体を脱会した者の方が、団体に所属している者よりも、5・6倍は多いかと思います。一般信者については95年以来脱会した者が、依然として団体に所属する者よりも、50倍に近いということもできます。こうした脱会した元一般信者はおろか、元中堅幹部も、賠償の責任を追及されることはありません。
 そして、彼らの中には、賠償をするどころか、自分も麻原らに騙された被害者という意識を持っている者が、大半だと思います。彼らの中には、最高幹部や中堅幹部として、上祐のように、刑事責任はなくても教団の武装化などを知っていた者もいますが、それは少数であり、報道によって後から知ったのみの人がほとんどです。
 逆に、依然として「一人オウム」として信仰を持っている者は、麻原は事件をやっていないと盲信していたり、ないしは事件を正当化していたりしていますから、この場合も、賠償する動機がありません。
 これは、事件に対して刑事責任がなくとも、自分達に道義的な責任があると自覚する者が少ないということだと思いますが、逆に言えば、現実に、そうした自覚を求めることは、相当に難しいと思います。
 ひかりの輪では、そうした道義的な責任を団体組織を挙げて自覚する努力に努めていますが、解散して個々人がバラバラになった場合は、ひかりの輪の経験者も、他のオウム経験者と同じ、精神的・経済的・法的な環境・条件におかれることになります。
 以上が、現実として賠償を進める上では、団体として賠償責任を負うことが、必要であると考える理由ではないかと思います。

 第三に、団体側としては、ひかりの輪のメンバーの生活権というものも考慮していただきたいと思うところがあります。
 というのは、今から12年以上前の2000年に賠償契約が初めて締結された際に、その契約の中で、賠償のための収益を得るために、教団の合法的な経済活動が認められました。さらに、この契約は、オウムの破産を管理する裁判所にも認可されました。
 こうして、団体が賠償を支払うことを条件に存続する点について、団体、被害者側、裁判所(=国権)が正式に合意したという状況があります。
 これは、私達の立場から見れば、すでに中年にさしかかった人間の集団が、思想哲学の学習教室の活動による収益があることを前提にして、今後の経済生活の設計を定めるという結果をもたらしました。
 その結果、仮にそれ以前に団体が解散となっていれば行っていたであろう一般会社への就労といったキャリアを積むことなく、この12年の間、自分達の経済生活を営んできました。よって、12年後の現在において、この前提を覆して、賠償ではなく、解散を求めることは、メンバーの生活権の問題にも関わってくるのではないでしょうか。


(4)ひかりの輪は、麻原信仰を捨て、新しい団体になったのに、なぜ賠償する責任・必要があるのか?賠償を続けると、逆に麻原信仰を捨てていないと誤解されないか?
 ――事件の反省と新しい思想・実践の創造のためです。


 麻原信仰とその教義・教材の一切を捨てたひかりの輪が、賠償契約を締結したのは、オウム事件を反省し、それを繰り返さず、それを越えた新しい思想・実践を創造しようとする証のためです。
 厳密に言えば、賠償責任があるのは、各刑事事件の犯行者と、破産した宗教法人オウム真理教です。
 また、宗教法人オウム真理教に加え、その後継団体として、事件の原因となった麻原の教え・教材と麻原を信仰する信者で収益を上げているアレフが賠償することは、現在の収益源が事件と因果関係があるわけですから、理にかなっていると思います。
 実際に、その教材の著作権は被害者団体が所有していますから、アレフが嫌がったとしても被害者団体が望むならば、法的手続きによって著作権の支払いという形ではありますが、支払いを義務づけることもできます。現状は、彼らは麻原を絶対視しており、賠償をする動機=麻原の過ちの認識・反省がないため、被害者団体と深い対立状態になっています(後に詳しく述べます)。
 一方、ひかりの輪は、そのメンバーが、オウム出身ではあっても、オウムとは違った教えの新しい団体であり、本来は、オウムの事件の被害者賠償を行うことは、自らの意志で賠償契約を締結しない限り法的義務になり得ないとも考えられます。
 わかりやすく言えば、オウム出身者複数名が、宗教ではなく、一般の物品・サービスの企業を立ち上げても、その企業が賠償責任を負ったという事例は今までないということと、本来は同じことです。
 しかし、世間では、ひかりの輪はオウム真理教と同じだという誤解がありますから、その誤解に基づいて、法的な義務があるという見方が生じます。そして、その誤解が強いために、ひかりの輪が発足する前後、賠償逃れのためにアレフから脱会し、別団体を作るのではないかという批判さえ出ていました。
 こうして、私達がオウム時代の反省をしていないと誤解されることは極めて不本意あり、そうではないことの証として、法的な責任の概念を越え、自主的に賠償契約を締結しようと考えました。その結果、2009年に、被害者の支援団体であるオウム真理教犯罪被害者支援機構と賠償契約を正式に締結しました。


5,ダブルバインドの状況と、それに対する地道な解決策

 団体の賠償に関して、オウム真理教はひかりの輪の現状に詳しい宗教学者の太田俊寛氏は、以下の通り述べておられます。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 さらにもう一つ留意すべき点は、現在の上祐氏とひかりの輪が、大きな「ジレンマ」を抱え込んでいるということである。そのジレンマとはすなわち、一般社会の側から「オウムはもう見たくない、後継団体はすべて解散してほしい」という要請がある一方、オウム事件に対する説明責任、さらには被害者への賠償を果たし続けるためには、何らかの形で団体を維持する必要があるということである。対談の終盤でも触れられたように、現在のひかりの輪の活動が、こうした数々の厳しい条件を前提として成り立っているものであるということを、私たちは理解する必要があるだろう。(太田出版『atプラス』13号より)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 こうして、賠償が進まないような団体の財務状態の根本的な理由を言えば、賠償を課せられながらも、団体の活動は厳しく監視・批判・制限されるという現在の状況、すなわち、ダブルバインドの状態があると思います。

 今後は、この根本原因の解消に向けて、社会一般ならびに当局に対して、団体の正しい理解を求めるべく、様々な努力をしていきたいと思います。


6,アレフの賠償の問題

 麻原信仰を深めるアレフは、被害者支援機構と対立状態に入っています。というのも、アレフは、①2000年以来の過去の賠償契約を履行せず、②被害者支援機構が求める賠償契約の更改を拒否し、③多額の収益と資産がありながら、それに比較してわずかな額を、賠償金としてではなく、寄付金として支払うにとどまっているからです。この詳細については、「ひかりの輪とアレフの違い」をご覧下さい。

オウム被害者機構によるアレフへの賠償支払い調停申立てについて

(2012--03-19 改訂06-17 16:26:41の記事  0915改訂)


現在、オウム真理教犯罪被害者支援機構はアレフに対して、著作権侵害と、被害者賠償支払いに関する、調停申し立ての手続きの最中にあります。

アレフは過去のオウム真理教事件を社会の「陰謀」ととらえて、反省することなく、現在進行形で、違法行為を犯している団体なのです。

本ブログでは、開設当初より、その解決の一助となるべく告発を行っております。

さて、本ブログ内で、これまで、この件についてのカテゴリーが、「3 アレフの賠償契約拒否問題」
の中にあり、「アレフの著作権侵害問題」が、わかりにくくなっていたため、新たに、本カテゴリーを作り、こちらに記事を転載することにしました。

現在進行形のオウム問題として、非常に重要な問題なので、ぜひご一読ください。


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(2012年3月15日の記事)

◆オウム被害者機構」による、アレフの著作権侵害に関する調停申し立て



  本日(2012年3月15日)、オウム真理教犯罪被害者支援機構は、アレフ(Aleph)に対して、

同機構への被害者賠償金の支払いを求めるとともに、
・同機構が著作権を有する、麻原の説法集などの教材一切を無断複製・
頒布しないよう求めて、

東京簡裁へ調停の申立てをした旨を発表しました。

◎読売新聞 『オウム被害者機構が調停申し立て…アレフに請求』
◎産経新聞 『アレフに1億6千万円賠償求める オウム被害者支援機構』
◎時事通信 『アレフに賠償支払い求める=被害者支援機構が調停申し立て-東京簡裁』
◎NHK 『オウム事件賠償 調停申し立て』

 かねてから当団体でもこの『Aleph(アレフ)問題の告発と対策』ブログでお知らせしてきたとおり、
アレフはいまだに同機構への被害者賠償を拒否していますが、その背景には、オウム事件は陰謀によって教団が陥れられたもので、教団は無実」というアレフ独特の考え方があります。


 アレフがそのような荒唐無稽な主張をするのは、麻原を絶対視するアレフにとって、麻原からの指示なく勝手に賠償金を支払うことは決して許されないという“宗教的理由”があるからであり、その正当化のために上記のような陰謀論を唱えているのです。

 そして、このような麻原への絶対視を信者に植え付けるために日常的に使われているのが、麻原説法集等の教材です。

 ひかりの輪は、同機構が指摘するようにアレフが著作権侵害をしていることに加えて、信者への洗脳教化を防ぐという観点からも、これら麻原説法集等の複製、頒布、販売さらにはいっさいの使用を行わないことを求めます。

 そして、アレフがオウム事件と真摯に向き合い、同機構への被害者賠償金の支払いを行うことを、
あらためて求めます



●追記〈2012年3月19日〉

◆オウム真理教被害者支援機構の、調停申し立ての詳細

 なお、ここで同支援機構によって複製、頒布、販売の禁止を求められている麻原やオウムの教材とは、説法、詞章、歌詞、音曲、写真、絵画、録音・録画されたものなど、一切の著作物ですから(滝本太郎弁護士のブログ参照)、一般のアレフ信者の皆さんに対しても、このことをよく理解して、著作権侵害行為がないようにすることを求めたいと思います。

 詳細について、昨日、3月18日に、弁護士の滝本太郎先生が、ご自身のブログ(『日常生活を愛する人は?』-某弁護士日記)に、詳細を掲載されました。

>>オウム真理教の著作権、ほか-調停申立の件

そこには、ニュースではわからなかった、さらなる詳細が掲載されています。

 アレフ、およびアレフ信者の方々は、この現実から、今、アレフは「著作権侵害」という犯罪を、現在進行形で犯している団体であるということに、気付かなければなりません。
そうすることを強く願い、求めます。

アレフが賠償契約締結を拒否する理由

(2012-03-03  18:21:39 の記事)

 前の記事でもお知らせしましたように、アレフは、いまだにオウム真理教犯罪被害者支援機構との、被害者賠償契約の締結を拒否しています。

 今回は、なぜ、アレフが賠償契約を拒否するのか、その原因と、考え得る対策について、元オウム・アレフ信者である視点から、述べたいと思います。

 1,アレフが賠償契約締結を拒否する理由
 2,賠償拒否は契約違反で信義にもとる
 3,アレフに賠償契約をさせるひかりの輪の努力
 4,今後の対策案


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1,アレフが賠償契約締結を拒否する理由

(1)宗教的理由


アレフが賠償契約締結を拒否する理由は、主に二つあると考えられますが、
その一つ目は、「宗教的理由」です。
 
アレフの宗教教義において最も重要なことは、
「グル(麻原)
の意思」に絶対的に従うことです

その前提からすれば、麻原自身が事件関与を法廷で公式に認めておらず、
被害者賠償を指示していない以上、
それを勝手に行うことは、「グルの意思」に反することになります

そのため、アレフは、これまで紹介してきたように、

「オウム事件は陰謀によって教団が陥れられたもので、教団は無実」

という洗脳教化を行ったり、被害者賠償契約の締結を拒否したりしてきたのです。

被害者賠償契約を締結するということは、オウムが事件を起こしたことを公に認めて、
その責任を負い、謝罪の意思をもって行うということですから、
麻原への帰依に反すること」になってしまいます

一方、アレフは、一般人からの寄付を受け付ける「サリン事件共助基金」には寄付を続けていますが、
これは善意の一般人にまじって「寄付してあげる」というスタンスで済むため、
必ずしも事件関与や責任を認めることにはならず、
「グルの意思」
に反するとまでは言えないと考えられるからです。

 
(2)経済的理由

賠償拒否の二つ目の理由として考えられるのが「経済的理由」です。

賠償契約を締結すれば、賠償金の全額を支払う義務が生じ、
年ごとに一定額の支払いを法的に義務づけられることになります。

これまでサリン事件共助基金に支払ってきたように、
「払いたい時に払いたいだけの額を払う」ということでは済まなくなります

また、オウム真理教犯罪被害者支援機構に、教団の経済報告をしなければならなくなります
(そうなれば、たとえば賠償努力をおろそかにして蓄財し、
 巨額の不動産物件の購入をするようなことはできなくなります)

「オウム事件は陰謀」という洗脳教化で多くの信者を騙して収入を得ているにもかかわらず、
事件関与を認めることを意味する賠償契約を結べば
収入が減る恐れもあります。
こうした「経済的理由」が賠償拒否の原因となっていると考えられるのです。

 
(3)その他のアレフ幹部の発言

ひかりの輪が賠償契約を結んだ2009年の4~6月頃には、
アレフの幹部が足立区内の施設において、出家信者を前に、
以下の理由から、被害者賠償はする必要がない旨の発言をしたとの情報があります。

 「2000年のアレフと破産管財人との間の賠償契約は、そもそも上祐が結んだものだから」
 「一般の信者は事件に関与していないから」
 「賠償金はすでに国が立て替えたから」


また、一部のアレフ出家者は、

「たとえアレフが賠償契約を締結しなくても、
 サリン事件共助基金に一定の寄付さえしていれば、
 オウム真理教犯罪被害者支援機構は強硬手段は取らない」

と考えているという情報もあります。


(4)松本家の関与

こうした賠償拒否への流れをアレフ内部で作ったのは、
麻原の家族=松本家である可能性が高いと思われます。

オウム真理教犯罪被害者支援機構によれば、
アレフ幹部は、ある段階までは賠償契約の交渉に応じていたものの
途中から態度を豹変させ、以後まったく交渉のテーブルにつかなくなってしまったということです。

これは、アレフの実情を知る私たちからすれば、
アレフの幹部だけで決められることではないので、
背後に明らかに松本家の意向が働いたと見るのが自然です。

松本家がアレフを実質的に支配していることは、先日の報道からも明らかです。
 


2,賠償拒否は契約違反で信義にもとる

(1)賠償拒否は契約違反

アレフはオウム真理教犯罪被害者支援機構との賠償契約締結を拒否していますが、
これは実は法的にも問題があることなのです。

この記事の一番下にも記したとおり、アレフは、2000年に
オウム真理教破産管財人(故・阿部三郎弁護士)との間で締結した
被害者賠償契約を完全に履行していません。

その債権を破産管財人から引き継いだオウム真理教犯罪被害者支援機構に対して、
アレフは残っている債務を支払う法的義務があるのですが、
いろいろな口実を付けて、それを拒否しているのが現状です。

つまり、契約違反をしている状況なのです。


(2)賠償拒否は信義にもとる

そもそも2000年に故・阿部弁護士は、
「アレフと賠償契約を結べば、その活動を容認することになる」という批判を受けながらも、
あえて、被害者の方々のために、契約を締結されました。
しかし、それはあくまで、アレフがきちんと賠償をするということが条件だったのです。

その当時のアレフは、団体規制法の施行等によって、いつ潰されてもおかしくない状況でした。
そんなところを、賠償をするからという一点において、その存続を何とか認められたようなものでした。

しかし、その賠償もせず、しかも「オウム事件は陰謀によるもの。オウムは無実」
などという、現実と反する洗脳的教化を、
多くの信者や一般の若者に対してさえ始めているのですから、
これはまさに信義にもとる行為といわざるをえません。

こうした、法的に問題があるばかりか、人としての信義にもとる行動をとる背景には、
上記のような、松本家の意向を背景にした
「宗教的理由」「経済的理由」
があると思われるのです。

3,アレフに賠償契約をさせるひかりの輪の努力


以上のようなアレフの問題行動に対して、
オウム真理教犯罪被害者支援機構は、大変困惑してこられました。

そこで、ひかりの輪では、2009年以降、アレフに賠償契約の締結に応じさせるために、
同機構からの要請にこたえて、参考となる情報を同機構に提供し続けてきました。

具体的には、アレフが被害者賠償契約に応じない理由や、
誰がそのような意思決定をしているのか等について、お知らせしてきました。

その情報提供努力は現在も継続していますが、
適宜、このブログ等で社会に対しても広く訴えていきたいと考えています


4,今後の対策案

今後、アレフに賠償契約締結に応じさせるためには、
もはや、より強硬な手段をとらざるをえないと思います。

たとえば、オウム真理教犯罪被害者支援機構によるアレフ資産の差押えや、
アレフに対する新たな破産手続等を行うこと
などが一案として考えられます。

ひかりの輪としては、同機構へのご協力を通じて、
アレフが真摯に被害者の方々に対して向き合い、
被害者賠償に応じるよう働きかけていきたいと思います。

アレフが、被害者賠償契約の締結を拒否している事態について

(2012-02-11  22:23:30の記事)

 アレフが、被害者賠償契約の締結を拒否している現状について、改めて、本ブログで現状・実態をお伝えいたします。

1,アレフが、被害者賠償契約の締結を拒否


 ひかりの輪は、2009年7月に、オウム真理教犯罪被害者支援機構との間で、被害者賠償契約を締結していますが、アレフは、賠償契約の締結を拒否しています(※末尾資料①参照)。
 ひかりの輪は、この状況を憂慮し、アレフに対して契約の早期締結を訴えてきましたが、アレフ問題対策室においても、改めて、この場を借りて要求したいと思います。


2,ひかりの輪の被害者支援機構へのご協力

 被害者支援機構は、アレフが賠償契約締結を拒否していることに困惑しています。
 そこで、ひかりの輪は、アレフが賠償契約締結を拒否している真意や、誰がその意思決定をしていると思われるか等について、同機構から情報提供を求められましたので、それにご協力し、さらに、継続的なご協力をしてきました。


3,アレフ が賠償契約を拒否した経緯

 アレフの荒木広報部長は、2010年3月の記者会見で、「賠償契約に応じないのは、被害者支援機構への債権譲渡に関する質問に対する回答がアレフに返ってきていないからである」旨、発表しています。

 しかし、これは事実に反しています。同機構の中村裕二弁護士によれば、「同弁護士が行ったアレフ批判発言をアレフに対して徹底的に謝罪しない限りは、賠償契約に応じない」と、アレフは述べ続けてきたのです。
 それは、ひかりの輪のほうでも、2009年来、同機構の方々からお聞きしてきました。
 ひかりの輪としては、中村弁護士のアレフ批判発言は不適切とは思いませんし、また、当然のことながら、徹底した謝罪を求めたりするのは、加害者側のとるべき姿勢ではないと考えています。


4,アレフが賠償契約締結しない場合の、重大な問題点

 アレフ は賠償契約を結ばずに、一定の金銭を「サリン事件等共助基金」に振り込んではいます。
 しかし、同機構によれば、同機構との間の新たな賠償契約締結がない限りは、事件被害者以外の一般債権者の債権放棄が法的に成立しないために、事件被害者への賠償が損われるとのことで、こうした事実をアレフに伝えても、誠意ある対応が見られないとのことです。

 また、1996年にオウム真理教に対して下された破産宣告の際に、破産債権者としての届出を行っていなかった事件被害者(未届被害者)への賠償も行われないことになります。
 ひかりの輪としては、 アレフが事件被害者への賠償を損なわないことを求めています。


5,アレフが法的な賠償責任を無視し始めた疑い

 アレフは、賠償金の支払いについて「道義的な責任に基づく支払い」と主張していますが、アレフには、単に道義的な責任だけでなく、オウム真理教破産管財人との間で2000年に締結し2005年に改めた賠償契約に基づく法的な賠償責任があり(※末尾資料②参照)、その債務はいまだに履行されていません。
 そこで、ひかりの輪としては、アレフが、あらためて法的な賠償責任を認め、債務の履行のために、新たな賠償契約を締結することを求めています。


※資料①
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●アレフ資金4億円越す 被害者への賠償額は減少
2012年1月19日 朝日新聞

 地下鉄・サリン事件などを起こしたオウム真理教から派生した宗教団体「アレフ」が持つ預金などの「流動資産」が4億円を超えた。公安調査庁によると、2000年に団体規制法に基づく観察処分が始まってから最高の額一方で、事件の被害者への賠償額は減少している。
(略)
 事件により、オウム真理教は被害者に賠償する責任を負った。教団の破産手続きでは、被害者・遺族が求めた賠償などの債権総額は約38億円だったが、約21億円が未払いのまま09年3月に手続きが終了。
 その後、未払い分の債権を引き継ぎ、被害者への賠償を進める「オウム真理教犯罪被害者支援機構」に対しては、アレフは払っていない。一方、一般からの寄付などを受け取って、被害者支援団体に払うことで間接的に被害者を支援する基金に対しては、アレフは08年末から昨年10月までに計約6200万円を払っている。
 アレフの荒木浩・広報部長は「債権譲渡の有効性など疑問を投げかげたが、機構から返事が来ない。協議がまとまれば支払う」と説明する。それに対し、被害者救済の活動に取り組み、機構の理事も務めている伊東良徳弁護士は支払いを中断させるための言いがかり。資産を増やしているなんて言語道断だ」と憤る。


●オウム破産手続き終了1年、賠償継続進まず

(読売新聞 2010年3月18日6時35分配信記事)

 被害者救済の役割を果たしてきたオウム真理教の破産手続きが終了して約1年。被害者・遺族への賠償を続けさせようという弁護士らと、教団側の交渉が思うように進んでいない。

 教団側は、松本智津夫死刑囚(55)への姿勢を巡り分裂しており、特に松本死刑囚を「開祖」と位置づける主流派(反上祐派)の消極的な姿勢が目立っている。
(略)

 オウム真理教が破産宣告を受けたのは1996年。債務総額は約51億円で、うち被害者分は約38億円に上り、破産管財人が教団資産を売却して被害者への配当にあててきた。
 昨年3月には手続きが終了したため、管財人は、賠償が済んでいない被害者などの債権約21億円分を、弁護士らで作る任意団体「オウム真理教犯罪被害者支援機構」(理事長・宇都宮健児弁護士)に譲渡した。同機構を通じ、被害者への賠償を続けさせるためだ。

 教団の上祐史浩元代表(47)が設立した団体「ひかりの輪」(信者数約200人)は昨年7月、同機構と合意書を取り交わし、賠償金の支払い義務があることを確認。その後、同機構に100万円を振り込んだ。これに対し、主流派の団体「Aleph(アレフ)」(同約1300人)は今月16日、1999年に設立された被害者支援団体「サリン事件等共助基金」に約360万円を支払ったが、同機構への支払いはまだで、今後の賠償方法を巡る交渉も停滞している。荒木浩・広報部長(41)は同日、都内で開いた記者会見で、被害者側の債権の同機構への譲渡や、オウム真理教被害者救済法に基づく国からの損害賠償請求については、「法的効力があるか確認中」と留保する考えを示した。

 こうした主流派の姿勢について、同機構副理事長の中村裕二弁護士は「組織の再興を狙っているのではないか。世間の関心が薄れる中、被害者の救済が済んだような雰囲気になるのは問題だと思う」と指摘している。


<地下鉄サリン事件>アレフ 賠償にあいまいな態度続ける
毎日新聞 3月 17日19時19分配信記事

 20日で発生から15年を迎える地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件を巡り、教団の主流派で構成する宗教団体「アレフ」が被害者への賠償について、あいまいな姿勢を続けている。被害者側への支払いはしているものの、「道義的責任に基づく誠意ある対応」を強調し、不法行為の「賠償金」との表現は避けている。被害者側は「法的責任を認めず、賠償義務を免れようとするもの」と批判している。
(略)
 アレフは破産手続き終結後、元破産管財人が運営する「サリン事件等共助基金」に16日までに約3000万円を入金したという。しかし、機構には「債権譲渡が行われたかどうか確認できていない」として証明文書の開示を求めており、残る賠償金の支払い意思は示していない。

 機構副理事長の中村裕二弁護士は「債権譲渡の通知は届いているはずで、何を確認する必要があるのか分からない。言いがかりに過ぎない」と話す。

  これと別にアレフは被害者支援をしているNPO法人「リカバリー・サポート・センター」に02~09年、計1300万円を寄付している。一方、上祐史浩元 代表の分派「ひかりの輪」は09年7月、機構と残りの賠償金を可能な限り支払うことで合意し、235万円を払った。【伊藤一郎】

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


※資料②
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         合 意 書

              破産者 オウム真理教破産管財人
                   弁 護 士 阿 部 三 郎

              宗 教 団 体 ・ ア レ フ
                   代表役員 村 岡 達 子

 標記当事者間で今般次のとおり合意し本書面を作成した。

第一 宗教団体・アレフ(以下「アレフ」という)は、旧オウム真理教(以下「旧教団」という)の数々の犯罪行為に基づく被害者及び遺族に対し心から謝罪し、破産者オウム真理教破産財団に対して次の事項を確認の上、破産債権の残債務全額を引き受ける。
 1 破産管財人との間の債務引受合意であること
 2 引受の主体はアレフであり、個人は含まれないこと
 3 アレフの債務引受は旧団体の破産手続上確定した債務であり、加害者個人の債務は含まれないこと
 4 第二項以下の支払約定と一体となった債務引受であること

第二 アレフは、前項の残債務のうち金九億六〇〇〇万円を平成一七年六月末日までの期間内に次のとおり破産管財人宛に分割して支払う。
 1 平成一三年六月末日までに二億円を第一回分割金として支払う。但し、既に譲渡ずみの信者名義の不動産と債権、送付ずみの現金四三六〇万円、車輌、その他の動産のそれぞれの処分価格を含むものとする。
  2 前項1による支払金を控除した残額七億六〇〇〇万円については、年間一億円を最低額とする分割払いとする。但し、本契約後、概ね一年毎に、双方はアレ フの弁済の実情を踏まえながら協議を行い、本文の支払方法について見直しを要すべき事態が生じている場合には、上方、下方修正を問わず、これを見直すもの とする。

第三 破産管財人は、裁判所との協議により、前項の支払金を含め財団として最終配当を行って破産手続を結了する。

第 四 破産管財人はアレフに対し、第三項の破産手続結了後、サリン事件等共助基金(運営委員長阿部三郎)宛、「オウム真理教に係る破産手続における国の債権 に関する特例に関する法律(平成一〇年法律四五号)」で定められた損害賠償請求債権者である被害者及び遺族の届出債権の残高に達するまで支払うことを申し 入れた。
 これに対し、アレフは、右申入れどおりの支払いをなすことを認めるが、支払いの時期、方法については、経済情勢や支払能力につき不透明 なところがある故、本合意成立後四年目の時期に協議をして弁済方法の確定をすることを申し入れ、管財人はこれを諒として、右申入れどおりの時期に改めて協 議をすることとした。

 右のとおり合意し、本書二通を作成し、後日のため当事者各一通を所持することとした。

    平成一二年七月六日

              破産者 オウム真理教破産管財人
                   弁 護 士 阿 部 三 郎

              宗 教 団 体 ・ ア レ フ
                   代表役員 村 岡 達 子

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(注) 上記「合意書」第二に基づけば、アレフは平成17(2005)年6月末日までに9億6000万円を支払っていなければなりませんが、実際には約5億 6000万円しか支払えませんでした。そこで、アレフは、2005年9月に契約を改定し、支払期限を2008年9月まで約3年間延長しましたが、それでも 支払えませんでした。ですからAlephは、破産者オウム真理教から債権譲渡を受けたオウム真理教犯罪被害者支援機構に対して、「道義的責任」ではなく、「法的責任」を負っているのです

プロフィール

アレフ問題対策室

Author:アレフ問題対策室
■脱会のご支援■
「アレフ(オウム真理教の後継教団)」や、アレフを隠したヨガ教室からの脱会支援を行っています。(※ご本人、ご知人、ご家族からのご相談など100件近くに上ります)
■告発と対策■
今なお続く、アレフの諸問題の告発と対策を行っています。
■運営担当■
ひかりの輪STAFFの4人が運営しています。(山口雅彦・宗形真紀子・広末晃敏・細川美香)

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